つくる · 学ぶ · やり直す
ときには、最善の次の一手が sudo reboot です。
イノベーションには自信が必要です。しかし同時に、何か月、何年とかけて作ったものが、もはや最善ではないと認める謙虚さも必要です。
英語学習技術の開発では、ソフトウェアをゼロから3回作り直しました。最初はモダンなデスクトップアプリケーションとして、次にiPhoneアプリとして、そして3回目はプラットフォームに依存せずブラウザ上で動作するシステムとして、一から再構築しました。そのたびに、何千行、何万行という正常に動作するコードを捨てることになりました。失敗したからではありません。そこまでの開発で得た知見によって、もっと良いものにできると分かったからです。そして今、この数年の技術の進歩を取り入れるために、再び作り直しています。先生方の教材作成の負担を大幅に減らし、一人ひとりの生徒に合わせたレッスンを、これまでにない短時間でつくれるようにするためです。
UrsiQの開発も、同じような道を歩んでいます。カメラ筐体は10種類近くを試作し、そのたびに設計全体を捨てて一からやり直した末に現在の形にたどり着きました。そして今、その現行設計も次期ハードウェアに向けて再びゼロから設計し直しています。システムソフトウェアについても大幅な書き直しを何度も重ね、新しく作ったコンポーネントでさえ、開発にかけた時間より短い期間で廃止することがあります。実際に作って動かしたからこそ、もっと良い進み方が見えることがあるからです。未来を描くための真っ白なキャンバスほど、心躍るものはないのかもしれません。
私たちは前提を試し、うまくいかなかったことから学び、証拠が示すなら方向を変えます。そして小さな改善では足りないときには、作ったものを手放し、最初からやり直します。
良いものには、改良する価値がある。もっと良いもののためなら、一からやり直す価値もある。
進歩とは、今あるものを改善することもあれば、最初からやり直すことでもあります。